養育費を払ってもらえない

元夫が養育費を払ってくれないときは

夫と離婚して母子家庭になったとき、親権者として気になるのはやっぱり子どもの将来です。
家事も仕事も子育ても全部両立していければ…と思うのですが、実際問題、女でひとりで子どもを育てていくのは本当に大変です。
ましてや病気や怪我をしたり、子どもがまだ幼い場合には働きに出ることもできません。

 

そうなると、離婚の際にはやはり養育費を取り決め、請求することがベストです。

 

養育費とは、原則として子どもが成人するまで、子どもと別居して監護者にならない親が、監護者になる親に支払う費用のことです。
別れた夫にも子どもを育てる責任と義務が残っているから、子育てにかかる費用は分担しなければいけない、ということになります。

 

例え離婚したとしても、親として子どもに対する責任、そして「生活保持義務」という義務がありますので、監護者にならない親には養育費を支払う義務があります。
「彼(彼女)とは離婚したからもう一切関係ない!払わない!」とは言えないわけですね。

 

まずは話し合いからスタートしよう

養育費の不払いに困ったときには、段階的なやり取りが重要となります。

 

1.手紙や電話などで思いやりを持って直接交渉をする

いきなり法的手段に持ち込んでしまうと余計問題がこじれてしまう可能性があります。
ひとまず相手の事情や意見を聞き、話し合いで解決できそうならそれに越したことはありません。

 

2.法的手段を取る

どうしても話し合いで解決できない場合や、誠意ある対応がなされなかった場合、以下のような法的手段によって養育費の支払いを求めることができます。
それぞれの制度によって程度や強制力が異なりますので、状況に応じたものを利用するようにしましょう。

間接強制

期間内に支払いをしないと制裁金が発生するよう強制できる制度。

直接強制(強制執行)

支払いがなされない場合、将来にわたって給料などを差し押さえる制度。
公証役場や家庭裁判所、法テラスなどに相談窓口がある。

履行勧告

強制的に支払わせることはできないが、家庭裁判所などから説得や勧告が入り、圧力をかけることができる制度。

履行命令

履行勧告より強制度のあるもので、期間内に支払いがされない場合には制裁金が発生する制度。

 

養育費を請求しよう

養育費は通常、離婚の際に夫婦の年収から金額を計算し、最低生活費などを設定したうえで事前に取り決めておくものです。
具体的な金額については以下の算定表が利用されていますが、完全な基準ラインとなるわけではありません。
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/

 

今後の支払い義務を守ってもらうためには、公正証書や調停調書などの債務名義を作成すると効果的です。

 

公正証書とは?

公正証書とは、離婚する際に夫婦で取り決め契約や約束事が、法律上問題ないことを証明した書類です。
公正証書は公正役場で20年間保存してもらえるため、子どもが成人するまでは確実な効力を持ちます。
この証書の内容が裁判で否認されたり、無効となることはほぼありません。

 

また、生活苦のために養育費を払えないなどといった理由では支払い義務は免除されませんし、慰謝料などと違って時効はありません。
離婚の際に取り決めをしていなくても、親は子どもが成人するまで扶養する義務がありますので養育費を請求することができます。

 

どうしても養育費を支払ってもらえないときは

元夫からの養育費の支払いが滞った場合、債務名義があれば強制執行という法的手段をとることができます。
強制執行手続きをすることにより、元夫が働いていて収入がある場合には、将来にわたって給与を差し押さえることができます。
さらに養育費の場合は、給与の2分の1までの差し押さえが可能となっています。
また不動産などお金に換えられる資産も売却しなければならず、たとえ借金を背負ってでも支払うべきものとして取り扱われます。

 

養育費は多くの母子家庭に支払われていない

強制執行ができる背景には、継続的に養育費の支払いが行われている母子家庭が2割にも満たないという事実があります。
これは協議離婚の際に公正証書の作成を勧められる理由のひとつでもあります。

 

この公正証書で契約した通り養育費の支払いが行われない場合、間接強制や強制執行といった手段が比較的容易に行えるというわけです。

 

まとめ:離婚のときには子どもの将来を見据えて

女性から離婚を打ち出すとき、どうしても感情的になってしまって「養育費なんていらない!」と言ってしまう方が多いです。
このように特に取り決めや契約をしていない場合でも、夫には子どもに対する「生活保持義務」がありますので、離婚後でも養育費を請求することは可能です。

 

しかし、別れた相手にもう一度会ってお金を請求する、というのはやはりいい気分で行えるものではありません。
今後一切関わりたくない!と思って離婚された方は、面会や話し合いなどもってのほか、と思われる方もいるでしょう。

 

離婚後、支払われない養育費を請求する際にスムーズな手続きを行うために、一度感情を落ち着けて子どものことを考えてください。
何よりもまずは子どものため、養育費を継続的に支払ってもらうために、離婚の際には十分な話し合いと取り決め、公正証書の作成を行うようにしましょう。